Propellerhead が iPad 版のソフトシンセ Thor Polysonic Synthesizer をリリースしていました。
iOS 5.1 以降の iPad 対応 (iPad 2 以降推奨)で、App Store 価格は1,300円。
Keyboard 画面
Knobs 画面
Routing 画面
同社の音楽制作ソフト Reason 専用のソフトシンセ Thor Polysonic Synthesizer の iPad 版で、パネルデザインは iPad の画面サイズにあわせて切り替え式に変わっていますが、パラメーター構成は同じで音色パッチは互換性が保たれていて、iTunes 経由で双方のデータの交換が可能になっています。
Keyboard 画面のパッチ選択リスト
画面中段のアイコンボタンの各モードは同時に表示させて使用できます。
パネル上段右の2組のノブとスイッチ (Modifiers) は、後述の "Routing" 画面で機能を割り当てることができます。
アイコンボタン左端の "Modulation" を押すと、モジュレーションとピッチベンドのリボンスライダーが鍵盤の左側に表示されます。
アイコンボタンの左2番目の "Assist" を押すと、キーとスケールのボタンが鍵盤の左側に表示され、設定に合わせて鍵盤上にマーカーが表示されます。
アイコンボタンの左3番目の "Collapse" を押すと、キーとスケールの設定にあわせて必要な鍵盤だけが省略表示されます。
上の画像は "Assist" と同時表示されている状態です。
アイコンボタン右端の "Strum" を押すと、鍵盤右側に "Strum" と "Hit" のスライダーリボンが表示され、ギターのようなストラム奏法でコードやアルペジオを演奏することができます。
右2番目の "Latch Keys" は鍵盤を押したまま固定させるモードです。
畳みこまれたセクションは完全に隠れるのではなく、EXPAND ボタンの下に主要パラメーターのノブやスライダーが表示されます。
オシレーター×3、フィルター×2、ミキサー
フィルター×2、ミキサー、LFO1、エンベロープ(LFO、フィルター、アンプ)
エンベロープ(LFO、フィルター、アンプ)、ディレイ、コーラス、Global (フィルター、エンベロープ、LFO2)
» 6種類のオシレーター
上中下3つのスロットをもつオシレーターセクションには、6種類 (Analog Osc、Wavetable Osc、FM Pair Osc、Phase Mod Osc、Multi Osc、Noise Osc) のオシレーターを選択してセットできます。
» 4種類のフィルター
ミキサーを真ん中に上下2つのスロットをもつフィルターセクションには4種類 (Low Pass Ladder Filter、State Variable Filter、Comb Filter、Formant Filter) のフィルターを選択してセットできます。
グローバルセクションのフィルターでも同様に呼び出すことができます。
» Modulation Bus Routing セクション
(左) ソース (中) ディスティネーション (右) スケール
上のリストにはまだ下に続きがあって、入力側は24種類、出力側は21種類、スケール側は24種類があり、さらにサブメニュー付きの項目もいくつかあるので実際はもっと選択肢があります。
スロットには、SOURCE (入力)、AMOUNT (効き具合)、DESTINATION (出力)、SCALE (スケール入力)などが指定でき、モジュレーションの入出力だけではなく、様々なパラメーターを柔軟に割り当てることができます。Keyboard 画面の2組のノブとスイッチ (Modifiers) の割り当てもここで行えます。
例えば Keyboard 画面の Midifiers ノブ1 (Rotary 1) を SOURCE にした場合は、DESTINATION にはオシレーター1のピッチ(Osc1 Pitch) などを指定して、ノブを回して直接ピッチを変化させることができます。
ここでいう SCALE は音階のことではなく、SOURCE (入力)側が固定(あるいは周期変化)パラメーターの場合に、可変値が入力ができるデバイスやパラメーターなどスケーリングを行える入力のことを指します。
SCALE を使った簡単な例として、SOURCE に LFO 1 、DESTINATION にはオシレーター1のピッチ(Osc1 Pitch) を指定したのが下の表です↓
SCALE を指定しない場合は LFO が100%で効きっぱなしなるので LFO の周期でピッチが変化し続けます。
二行目のように SCALE に Midifiers ノブ1 (Rotary 1) を割り当てることで、LFO によるピッチモジュレーションの効き具合ををノブで操作して変化させることができます。
画面左上のギアアイコンを押すと、シーケンサーの初期テンポや、MIDI 入力のデバイス選択とチャンネル指定、アプリのハックグラウンド再生の設定項目が表示されます。
» Step Sequencer セクション
最大16ステップのループステップシーケンサーはノートの音程と発音の指定以外に、VELOCITY、GATE LENGTH、STEP DURATION、CURVE 1、CURVE 2 の項目を細かく編集できます。
ループ再生のほかに、RUN ボタン1回で1音ずつ再生させたり、RUN ボタンでループなしで16ステップ1回だけ再生することも可能です。
ステップの再生順も昇順、降順、ランダムなど5種類から選べます。
iPad 1 でもちゃんと使えました。
ただ、時々ノイズが乗るパッチがいくつかあったので、やっぱり CPU パワー的には iPad 2 以降で使うのが無難なようです。
Reason は所持していないのでオリジナル Thor との細かい違いは把握していないのですが、iPad 用の単体シンセとしても期待を裏切らない完成度でした。
パラメーターは若干多めではありますが、レイアウトが整理されていて見やすいので、オリジナルの Thor を触ったことがない人でもアナログシンセの基本を知っている人ならすぐに慣れると思います。
[関連サイト]
Propellerhead (se)
Propellerhead (jp)
Propellerhead Thor Polysonic Synthesizer
カテゴリー: ミュージック
リリース: 2013/06/20 (Ver.1.0)
価格: 1,300円
iOS 5.1 以降の iPad 対応 (iPad 2 以降推奨)で、App Store 価格は1,300円。
Keyboard 画面
Knobs 画面
Routing 画面
同社の音楽制作ソフト Reason 専用のソフトシンセ Thor Polysonic Synthesizer の iPad 版で、パネルデザインは iPad の画面サイズにあわせて切り替え式に変わっていますが、パラメーター構成は同じで音色パッチは互換性が保たれていて、iTunes 経由で双方のデータの交換が可能になっています。
主な特徴 (全体)
メインの画面は、Keyboard (ピアノ鍵盤)、Knobs (パラメーター)、Routing (モジュレーションI/O、ステップシーケンサー)の3つで構成され、それぞれのモードを画面上段のボタンで切り替える方式です。- アーティスト、サウンドデザイナー作成の1000以上のパッチを収録
- テンプレート(オシレーターとフィルターの組合わせ)を選択してサウンド作成
- アフタータッチ、ストラム機能付きのエクスプレッシブタッチ対応の鍵盤
- キーとスケールに合わせた省略型の鍵盤モード
- Reason の Thor と互換性のあるパッチデータ (iTunes 経由で交換可能)
- MIDI IN に対応 (他アプリからの入力、外部インターフェイスからの入力)
- Audiobus に対応 (オーディオストリームのルーティング)
- バックグラウンドの継続再生に対応
- iPad 3/4 の Retina ディスプレイ対応
Keyboard 画面のパッチ選択リスト
Keyboard モード
- トランスポーズとレンジ変更機能付きのピアノ鍵盤
- Routing で機能割り当てができる2組のノブとボタン
- モジュレーションとピッチベンドコントローラーモード
- キーとスケールに合わせたコードアシスト表示機能と省略型鍵盤モード
- 鍵盤を押したままに固定するラッチモード
- コードをホールドしながらアルペジオをストラミングできるストラムモード
- ポリ/モノ発音モードとポルタメントの設定
画面中段のアイコンボタンの各モードは同時に表示させて使用できます。
パネル上段右の2組のノブとスイッチ (Modifiers) は、後述の "Routing" 画面で機能を割り当てることができます。
アイコンボタン左端の "Modulation" を押すと、モジュレーションとピッチベンドのリボンスライダーが鍵盤の左側に表示されます。
アイコンボタンの左2番目の "Assist" を押すと、キーとスケールのボタンが鍵盤の左側に表示され、設定に合わせて鍵盤上にマーカーが表示されます。
アイコンボタンの左3番目の "Collapse" を押すと、キーとスケールの設定にあわせて必要な鍵盤だけが省略表示されます。
上の画像は "Assist" と同時表示されている状態です。
アイコンボタン右端の "Strum" を押すと、鍵盤右側に "Strum" と "Hit" のスライダーリボンが表示され、ギターのようなストラム奏法でコードやアルペジオを演奏することができます。
右2番目の "Latch Keys" は鍵盤を押したまま固定させるモードです。
Knobs モード
分割パネルは EXPAND ボタンで切り替わり、オシレーター、フィルター、LFO&エンベロープ、グローバルの並びで、隣り合うセクションを半分ずつ表示されます。畳みこまれたセクションは完全に隠れるのではなく、EXPAND ボタンの下に主要パラメーターのノブやスライダーが表示されます。
オシレーター×3、フィルター×2、ミキサー
フィルター×2、ミキサー、LFO1、エンベロープ(LFO、フィルター、アンプ)
エンベロープ(LFO、フィルター、アンプ)、ディレイ、コーラス、Global (フィルター、エンベロープ、LFO2)
- 分割されたパネルを EXPAND ボタンで切り替え表示
- 6種類のオシレーターが選択できる3つのオシレータースロット
- 4つのフィルターが選択できる2つのフィルタースロットとミキサー
- LFOと3つ(フィルター、アンプ、モジュレーション)のエンベロープ
- ディレイ、コーラス、グローバルセクション(フィルター、エンベロープ、LFO)
- 最下段のミニキーボードでサウンドプレビューが可能
» 6種類のオシレーター
上中下3つのスロットをもつオシレーターセクションには、6種類 (Analog Osc、Wavetable Osc、FM Pair Osc、Phase Mod Osc、Multi Osc、Noise Osc) のオシレーターを選択してセットできます。
» 4種類のフィルター
ミキサーを真ん中に上下2つのスロットをもつフィルターセクションには4種類 (Low Pass Ladder Filter、State Variable Filter、Comb Filter、Formant Filter) のフィルターを選択してセットできます。
グローバルセクションのフィルターでも同様に呼び出すことができます。
Routing モード
- 様々なパラメーターを入出力先にルーティングできる13個のスロット
- 16ステップのループシーケンサー(6種類のステップパラメーター)
» Modulation Bus Routing セクション
(左) ソース (中) ディスティネーション (右) スケール
上のリストにはまだ下に続きがあって、入力側は24種類、出力側は21種類、スケール側は24種類があり、さらにサブメニュー付きの項目もいくつかあるので実際はもっと選択肢があります。
スロットには、SOURCE (入力)、AMOUNT (効き具合)、DESTINATION (出力)、SCALE (スケール入力)などが指定でき、モジュレーションの入出力だけではなく、様々なパラメーターを柔軟に割り当てることができます。Keyboard 画面の2組のノブとスイッチ (Modifiers) の割り当てもここで行えます。
例えば Keyboard 画面の Midifiers ノブ1 (Rotary 1) を SOURCE にした場合は、DESTINATION にはオシレーター1のピッチ(Osc1 Pitch) などを指定して、ノブを回して直接ピッチを変化させることができます。
SOURCE | AMOUNT | DEST. | AMOUNT | SCALE |
---|---|---|---|---|
Rotary 1 | 100 | Osc1 Pitch |
ここでいう SCALE は音階のことではなく、SOURCE (入力)側が固定(あるいは周期変化)パラメーターの場合に、可変値が入力ができるデバイスやパラメーターなどスケーリングを行える入力のことを指します。
SCALE を使った簡単な例として、SOURCE に LFO 1 、DESTINATION にはオシレーター1のピッチ(Osc1 Pitch) を指定したのが下の表です↓
SOURCE | AMOUNT | DEST. | AMOUNT | SCALE |
---|---|---|---|---|
LFO 1 | 100 | Osc1 Pitch | ||
LFO 1 | 100 | Osc1 Pitch | 100 | Rotary 1 |
SCALE を指定しない場合は LFO が100%で効きっぱなしなるので LFO の周期でピッチが変化し続けます。
二行目のように SCALE に Midifiers ノブ1 (Rotary 1) を割り当てることで、LFO によるピッチモジュレーションの効き具合ををノブで操作して変化させることができます。
設定
画面左上のギアアイコンを押すと、シーケンサーの初期テンポや、MIDI 入力のデバイス選択とチャンネル指定、アプリのハックグラウンド再生の設定項目が表示されます。
» Step Sequencer セクション
最大16ステップのループステップシーケンサーはノートの音程と発音の指定以外に、VELOCITY、GATE LENGTH、STEP DURATION、CURVE 1、CURVE 2 の項目を細かく編集できます。
ループ再生のほかに、RUN ボタン1回で1音ずつ再生させたり、RUN ボタンでループなしで16ステップ1回だけ再生することも可能です。
ステップの再生順も昇順、降順、ランダムなど5種類から選べます。
公式デモ
[ここに YouTube プレイヤーが表示されます]
http://www.youtube.com/watch?v=phLTYc3eR5A
http://www.youtube.com/watch?v=SZ0xjXMHV5Q
http://www.youtube.com/watch?v=gI0mwXAECcs
(3つ目の動画は Reason 版 Thor のチュートリアルです)http://www.youtube.com/watch?v=phLTYc3eR5A
http://www.youtube.com/watch?v=SZ0xjXMHV5Q
http://www.youtube.com/watch?v=gI0mwXAECcs
[ここに SoundCloud Player が表示されます]
https://soundcloud.com/propellerhead/sets/thor-listening-gallery
https://soundcloud.com/propellerhead/sets/thor-listening-gallery
iPad 1 でもちゃんと使えました。
ただ、時々ノイズが乗るパッチがいくつかあったので、やっぱり CPU パワー的には iPad 2 以降で使うのが無難なようです。
Reason は所持していないのでオリジナル Thor との細かい違いは把握していないのですが、iPad 用の単体シンセとしても期待を裏切らない完成度でした。
パラメーターは若干多めではありますが、レイアウトが整理されていて見やすいので、オリジナルの Thor を触ったことがない人でもアナログシンセの基本を知っている人ならすぐに慣れると思います。
[関連サイト]
Propellerhead (se)
Propellerhead (jp)
Propellerhead Thor Polysonic Synthesizer
カテゴリー: ミュージック
リリース: 2013/06/20 (Ver.1.0)
価格: 1,300円
PROPELLERHEAD 音楽制作ソフト Reason 7
- 出版社/メーカー: propellerhead
- メディア: エレクトロニクス