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Apple MusicにおけるiCloudミュージックライブラリとiTunesライブラリの関係

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Apple Music の有料メンバーシップを利用する場合に、ローカルの iTunes ライブラリとクラウド上の iCloud ミュージックライブラリがどんな関係になるのか少し整理してみました。



Mac/PC の iTunes ライブラリの照合とアップロード

 Mac/PC で iTunes を利用してない人で、1台の iOS デバイスだけで Apple Music を利用したい人・している人は、ライブラリの関係性については特に意識する必要はなく、利用するデバイス上だけで再生するなら iCloud ミュージックライブラリを有効にする必要もありません。

 Apple Music では、iCloud ミュージックライブラリを有効にすると、Mac/PC のローカル側の iTunes ライブラリの楽曲ファイルが照合され、クラウド上の iCould ミュージックライブラリにアップロードされます。

 聴き放題なのになぜローカル側のアップロードが必要なのかと思う人もいるかもしれませんが、Music アプリの My Music の初期リストや初期プレイリストを同期させるために必要な工程だということです。

 ローカルライブラリの曲数によっては、照合とアップロードにかなりの時間を要する場合があるので注意が必要。

 あと、サポートページにも記載があるように、Apple Music にはバックアップサービスはありません。
 無事アップロードができたからといって、(ほとんど人はやらないとは思いますが)元ファイルはすぐ消さずに、もし消す場合は別のローカルドライブなどにバックアップを取るようにしましょう。

アップロードされる楽曲ファイルの条件は iTunes Match と同等


» Apple Music サポートページ

 iCloud ミュージックライブラリのアップロードされる楽曲は、iTunes Match と同等で以下の条件を満たすものだけが対象になります。
  • 個人用のミュージックライブラリに最大25,000曲まで追加可能。
    iTunes Store から購入した曲の数はこの上限の計算に含まれない。
  • 200MB以下または 2 時間未満の曲だけがアップロード対象となる。
  • ALAC、WAV、AIFF フォーマットの曲は、256kbps AAC の一時的に変換されてから
    アップロードされ元のファイルはそのまま残される。
  • MP3 または AAC フォーマットの曲は一定の品質基準を満たしていない限り、
    カタログとの照合もアップロードもされない。
  • デジタル著作権管理 (DRM) で保護されている曲は、アップロード元の Mac/PC で楽曲を
    再生できるよう認証されている場合を除いてカタログとの照合もアップロードも行われない。
  • iTunes でアップロードした曲はオフラインで聴けるように保存していない限り、
    デバイス上のスペースを占有しない。

 iCloud ミュージックライブラリにアップロードされた曲は、iCloud ミュージックライブラリを有効にしたデバイス間で、楽曲やアルバム、ビデオ、プレイリストなどが同期されます。

 iCloud ミュージックライブラリが有効になっていない場合でも、My Music のうちのローカルからアップロードした分やプレイリストがデバイス間で同期がされないだけで(iTunes Store で購入した楽曲は同期される)、個々のデバイスで Apple Music 自体は利用できます。

iCloud ライブラリにない楽曲を直接 iTunes で転送した場合

 注意しなければならないのは、Mac/PC 側の iTunes からケーブル接続で iOS デバイスに直接楽曲ファイルを転送する場合です。

 Mac/PC 側から iCloud ミュージックライブラリにないファイルを、iCloud ミュージックライブラリを有効にした iOS デバイスに楽曲ファイルを転送しても Music アプリの My Music のリストには反映されません。

 この場合、iOS デバイスにオフラインで再生するには、Apple Music のラインナップから1つずつ手作業で同じ曲を再度ダウンロード保存して My Music に追加する必要があります。(曲数が多いとこの作業はかなりめんどくさい)

オフライン再生用に保存されるのは DRM 付きファイル

 Apple Music ではストリーミング再生のほか、オフラインで再生できるようにダウンロード保存が可能になっていますが、アップロード対象でなかった楽曲や iTunes Store で購入していない楽曲は DRM 付きのファイルとなります。

 アップロード済みまたは iTunes Store で購入済みの楽曲は、ファイルがローカルにない場合でも DRM 無しのファイルがダウンロード保存されます。

 Mac/PC でダウンロード保存する場合は、CD などから取り込んだ楽曲ファイルが既にローカルにある場合は上書きはされず残ります。
 ここを勘違いしている人が少なからずいるようですが、アップロードした元ファイル本体が DRM 付きに上書きされて置き換わることはありません。


 ちなみに、iTunes Match では、Mac/PC の iTunes ライブラリ照合時に低ビットレートと判定されたローカル既存ファイルは DRM 無しの 256kbps AAC ファイルに上書きされて置き換えられます。(この仕様が混乱を招く元なのかも)

iOS デバイス上では DRM 有り無しは気にしなくてもよいということです。

iTunes 12.2 で iTunes ライブラリが破壊される不具合あり

 先日リリースされた iTunes 12.2 で、Apple Music と iCloud ミュージックライブラリを有効にすると iTunes ライブラリの情報が破壊されるという致命的な不具合が発見されました。

 破壊されるのはライブラリのインデックス管理ファイル(iTunes Libray.itl) だけで、楽曲ファイル本体らは影響はないようです。

 復旧方法として、iTunes ライブラリのフォルダ内の iTunes Libray.itl を消すか適当な名前にリネームするかして、システムバックアップフォルダ (Previous iTunes Libraries) から直近の iTunes Libray 20xx-xx-xx.itl を iTunes Libray.itl にリネームして戻してやればよいそうです。

 ただし、復旧後は、iTunes を起動したときに「iCloud ミュージックライブラリを使用しますか?」のダイアログが表示されたら、必ず「後で行う」を選択する必要があるとのこと。(でないとまた同じことの繰り返しになります)

詳しい手順はこちらのページを参照↓



不具合の修正されたバージョンの iTunes が出るまで、iCloud ミュージックライブラリの有効化はしないほうがよさそうです。

[関連サイト]
 Apple Music
 iTunes Match
 Apple Music サポートページ



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