KORG がデジタルシンセの名機 KORG M1 を完全再現した iPad アプリ KORG iM1 for iPad をリリースしていました。
価格は3,600円で、2015年6月30までリリース記念価格2,400円で発売中。
iOS 8 以降搭載の iPad シリーズに対応。
PCM 音源とマルチトラックのシーケンサーを1台にまとめ、「演奏」と「楽曲制作」の2つの工程をスムーズかつ高品質に仕上げるための環境を提供する「ミュージックワークステーション」というコンセプトを初めて採用したシンセサイザーでもあります。
当時の発売直後の人気は凄まじく、最終的に全世界で10万台を超えるセールスを記録し、80年代末から90年代の音楽シーンにおいて重要な役割を担いました。
80年代後半から隆盛を極めるハウスミュージックにおいて、M1 のピアノ、オルガンはトラックにマッチしながらもその存在感を失わない抜けの良いキャラクターが、当時のハウスにはなくてはならない定番サウンドとして重宝されていました。
他にも、ニューエイジ系やアンビエント系などで多用されていたロア(カラコロ音)やクワイア(コーラス音)など幻想的なサウンドも M1 の個性を際立たせていました。
M シリーズはラック音源バージョンの M1R、廉価版ラック音源の M3R、波形容量を増やした M1 EX、M1R EX などがリリースされました。
ワークステーションのコンセプトは、その後に続く Tシリーズ、01/W シリーズ、X シリーズ、TRINITY、TRITON、現在の KRONOS シリーズまで脈々と受け継がれています。
PCM データはオリジナル M1 のライブラリーを搭載、オリジナル設計時の回路図を解析して細部のパラメーターまでソフトウェアで完全再現して、M1 の全てを知り尽くした担当エンジニアによって調整されています。
単純にオリジナルを再現するだけではなく、以下のような新機能も搭載。
画面下のボタンで表示される鍵盤とカオシレーターモードのX/Y パッド
目当ての音色に素早くアクセスできるスマートサウンドブラウザ
KORG Gadget から Darwin としてモジュールを呼び出し可能
» PROG/COMBI/MULTI モード各共通のセクション
M1 には PROGRAM、COMBINATION、MULTI の3つの音色モードがあります。
PROGRAM は音色の最小単位で PCM 波形2つで構成され、OSC、VDF、VDA、CONTROL、INSERT FX の各セクションのパラメーターを持ちます。
M1 ではドラムキットは GLOBAL モードでパラメーター編集することになっていましたが、iM1 では他の音色と同じように PROGRAM モードで編集できるように変更されています。
COMBINATION は PROGRAM を最大8パートまでを重ねることで、重厚で複雑な音色変化をもつ音色を作成することができる、主に手弾きで演奏するのに向いたモードです。
各パートはミックス後そのままマスターエフェクトに送られます。
MULTI はマルチティンバーのモードで、構成は COMBI モードと同じ8つですが、8つの各パートは別々に MIDI チャンネルを割り当てることができて8トラックのマルチ音源として動作するので、シーケンサーなどから演奏させるのに向いています。
各パートからマスターエフェクトへはセンドリターンで接続されます。
COMBI/MULTI 編集画面での OSC、VDF、OSC、VDF、VDA、CONTROL、INSERT FX の画面は、画面左端に並ぶパートで選択した各 PROGRAM のパラメーターが表示されます。
EASY セクションは OSC、VDF 1/2、 VDA 1/2、INSERT FX の各セクションの重要パラメーターに素早くアクセスできる画面です。
» OSC
OSC セクションは、オシレーターの基本動作モード、オシレーター波形の選択、ピッチエンベロープ、ピッチモジュレーション、ベロシティなどのパラメーターが編集可能です。
» VDF
VDF セクションにはフィルター関連のパラメーターがあり、カットオフと新規追加のレゾンナスのほか、フィルターエンベロープ、フィルターモジュレーション、ベロシティ、キーボードトラックなどののパラメーターが編集可能です。
» VDA
VDA セクションにはアンプ関連のパラメーターがあり、アンプエンベロープ、アンプモジュレーション、ベロシティ、キーボードトラックなどののパラメーターが編集可能です。
» CONTROL
CONTROL セクションはアフタータッチの各セクションの主要パラメーターの調整と、ピッチベンドや MIDI コントロールチェンジコードに対する受付パラメーターの選択と調整が行えます。
» INSERT FX
INSERT FX セクションではシリアル接続の2系統のエフェクターを34種類の中からセットできます。
» TIMBRE SELECT
画面左上にある SETTING の下にあるボタンは、本来は COMBI/MULTI の各パート(ティンバー)の設定に機能するものですが、PROGRAM 時は主要パラメーターのバランス調整ノブが表示されます。
ここで調整されるパラメーターは各セクションのパラメーターの位置を基準に加減算されます。
» TIMBRE SELECT
画面左上にある SETTING の下にあるボタンを押すと、各パート(ティンバー)の ON/OFF、ソロ、ミュート、INSERT FX の ON/OFF、PROGRAM 選択、出力レベル、パン、出力先などが編集できます。
» PERFORM
PERFORM セクションでは、COMBI/MULTI モードの各パート(ティンバー)ごとのオシレーター、カットオフ、レゾナンス、VDF EG INT、アタック、ディケイ、リリース、INSERT FX の各バランス調整が行えます。
ここでの調整は元の PROGRAM のパラメーター位置を基準に加減算され、アタック、ディケイ、リリースは PROGRAM の VDF と VDA の両方それぞれに加減算されます。
» MIDI
MIDI セクションでは、受信チャンネル、キーゾーン、ベロシティゾーン、受信フィルター(PC:プログラムチェンジ、CC:コントロールチェンジ、AT:アフタータッチ、DMP:ダンパー)、デチューン、トランスポーズなとMIDI 受信関連のパラメーターがあります。
» MASTER FX (COMBI)
MASTER FX はCOMBI/MULTI モードのマスター出力の直前に置かれる2系統のエフェクトを、34種類のエフェクト中から選択してセットできます。
» MASTER FX (MULTI)
INSERT FX と違い、シリアル接続とパラレル接続の選択が可能で、COMBI モード時は各パート(ティンバー)のミックスがそのまま直結し、MULTI モード時は各パート(ティンバー)はセンドリターン接続になります。
SETTING 画面には MIDI 関連の設定項目とキーボードのチューニング、キー/スケールの設定項目があります。
画面右下の「AUDIO/OTHER SETTING」を押すと、iOS の「設定」にある iM1 の画面(↓下の画像)へ遷移します。
» iOS 側の設定にある iM1 の設定画面
iOS 側の設定画面には、レイテンシーの指定、バックグラウンド動作、ネットワーク MIDI、ノブのドラッグ動作、オートロック、利用状況送信などの項目があります。
CoreMIDI、Audiobus、Inter-App Audio などを利用して、他のアプリや外部デバイスからコントロールしたいときにうまく動かない場合は、バックグラウンド動作、ネットワーク MIDI、オートロックの状態を確認してみましょう。
» FILE
FILE では新規セッションの作成や、セーブ、ロード、KORG Leagcy Selection (KLC) やオリジナル M1 からのインポートなどが行えます。
相変わらず素晴らしい出来で、iPad ならではの操作性もいい感じです。
KORG Leagcy Selection の M1 には既にレゾナンスが付いていたので、iM1 にも付けてくれると思っていました。
(KLC の M1 もこれくらいの画面サイズで使いたい…)
さて次は Mono/Poly かそれとも Wavestation か…
[関連サイト]
KORG
KORG iM1 for iPad
KORG Legacy Selection
KORG ミュージアム - M1
KORG iM1 for iPad
カテゴリー: ミュージック
リリース: 2015/05/25 (Ver.1.0.1)
価格: 3,600円 (2105/06/30までリリース記念価格2,400円)
価格は3,600円で、2015年6月30までリリース記念価格2,400円で発売中。
iOS 8 以降搭載の iPad シリーズに対応。
KORG iM1 for iPad
カテゴリー: ミュージック
リリース: 2015/05/25 (Ver.1.0.1)
価格: 3,600円 (2105/06/30までリリース記念価格2,400円)
カテゴリー: ミュージック
リリース: 2015/05/25 (Ver.1.0.1)
価格: 3,600円 (2105/06/30までリリース記念価格2,400円)
オリジナル KORG M1 について
KORG が1988年5月に発売したデジタルシンセサイザーで、当時の定価は248,000円。61鍵のボディに最大16和音8マルチティンバー対応のリアルな PCM 音源(16bit サンプリング4MB)と独立2系統ステレオエフェクター、8トラックの内蔵シーケンサーを搭載していました。PCM 音源とマルチトラックのシーケンサーを1台にまとめ、「演奏」と「楽曲制作」の2つの工程をスムーズかつ高品質に仕上げるための環境を提供する「ミュージックワークステーション」というコンセプトを初めて採用したシンセサイザーでもあります。
当時の発売直後の人気は凄まじく、最終的に全世界で10万台を超えるセールスを記録し、80年代末から90年代の音楽シーンにおいて重要な役割を担いました。
80年代後半から隆盛を極めるハウスミュージックにおいて、M1 のピアノ、オルガンはトラックにマッチしながらもその存在感を失わない抜けの良いキャラクターが、当時のハウスにはなくてはならない定番サウンドとして重宝されていました。
他にも、ニューエイジ系やアンビエント系などで多用されていたロア(カラコロ音)やクワイア(コーラス音)など幻想的なサウンドも M1 の個性を際立たせていました。
M シリーズはラック音源バージョンの M1R、廉価版ラック音源の M3R、波形容量を増やした M1 EX、M1R EX などがリリースされました。
ワークステーションのコンセプトは、その後に続く Tシリーズ、01/W シリーズ、X シリーズ、TRINITY、TRITON、現在の KRONOS シリーズまで脈々と受け継がれています。
M1 のシンセとしての機能を完全再現つつ新機能を
KORG iM1 for iPad は M1 に搭載されていた8トラックのシーケンサーは省略されていて、シンセサイザーとしての機能の部分だけを再現していて、DAW 用のソフトシンセプラグイン製品の KORG Legacy Selection の M1 に近い構成となっています。PCM データはオリジナル M1 のライブラリーを搭載、オリジナル設計時の回路図を解析して細部のパラメーターまでソフトウェアで完全再現して、M1 の全てを知り尽くした担当エンジニアによって調整されています。
単純にオリジナルを再現するだけではなく、以下のような新機能も搭載。
- 新たにフィルターレゾナンスのパラメーターを追加
- 新たに VDA モジュレーションのパラメーターを追加
- マスターエフェクトが2系統から合計18系統にパワーアップ
- エフェクトに新たにコンプレッサーを追加
- iPad ならではの直感操作「カオシレーターモード(X/Y Pad)」 搭載
- M/T シリーズ34枚の音色カードを網羅した合計3,300の音色ライブラリ
- 目当ての音色を素早く見つけられるスマートサウンドブラウザ
- KORG Gadget から PCM シンセ音源 Darwin として呼び出し可能
- CoreMIDI、Audiobus、Inter-App Audio 対応アプリと連携可能
- 外部 MIDI デバイスを接続して音源として利用可能
- 作成した音色データを KORG Legacy Selection や実機 M1 で利用可能
画面下のボタンで表示される鍵盤とカオシレーターモードのX/Y パッド
目当ての音色に素早くアクセスできるスマートサウンドブラウザ
KORG Gadget から Darwin としてモジュールを呼び出し可能
各モードとセクションの構成のおさらい
シンセパートの各モードとセクションの構成は、新機能でパラメーターがいくつか増えていますが、全体的にはオリジナル M1 と同じです。» PROG/COMBI/MULTI モード各共通のセクション
- OSC - オシレーター 1&2 (OSC/PITCH EG/VERO SENS)、PITCH MG
- VDF - カットオフ、レゾナンス、VDF 1&2 (EG/SNES/TRK)、VDA MG
- VDA - VDA 1&2 (EG/SENS/TRK)、VDA MG
- CONTROL - アフタータッチ、コントローラー関連
- INSERT FX - インサートエフェクトの設定(独立2系統)
- PERFORM - 各トラック/ティンバーの主要パラメーターのバランス調整
- MIDI - 受信Ch、キーゾーン、ベロシティゾーン、フィルターなどの設定
- MASTER FX - マスターエフェクトの設定(独立2系統)
M1 には PROGRAM、COMBINATION、MULTI の3つの音色モードがあります。
PROGRAM は音色の最小単位で PCM 波形2つで構成され、OSC、VDF、VDA、CONTROL、INSERT FX の各セクションのパラメーターを持ちます。
M1 ではドラムキットは GLOBAL モードでパラメーター編集することになっていましたが、iM1 では他の音色と同じように PROGRAM モードで編集できるように変更されています。
COMBINATION は PROGRAM を最大8パートまでを重ねることで、重厚で複雑な音色変化をもつ音色を作成することができる、主に手弾きで演奏するのに向いたモードです。
各パートはミックス後そのままマスターエフェクトに送られます。
MULTI はマルチティンバーのモードで、構成は COMBI モードと同じ8つですが、8つの各パートは別々に MIDI チャンネルを割り当てることができて8トラックのマルチ音源として動作するので、シーケンサーなどから演奏させるのに向いています。
各パートからマスターエフェクトへはセンドリターンで接続されます。
COMBI/MULTI 編集画面での OSC、VDF、OSC、VDF、VDA、CONTROL、INSERT FX の画面は、画面左端に並ぶパートで選択した各 PROGRAM のパラメーターが表示されます。
PROGRAM モードの画面
» EASYEASY セクションは OSC、VDF 1/2、 VDA 1/2、INSERT FX の各セクションの重要パラメーターに素早くアクセスできる画面です。
» OSC
OSC セクションは、オシレーターの基本動作モード、オシレーター波形の選択、ピッチエンベロープ、ピッチモジュレーション、ベロシティなどのパラメーターが編集可能です。
» VDF
VDF セクションにはフィルター関連のパラメーターがあり、カットオフと新規追加のレゾンナスのほか、フィルターエンベロープ、フィルターモジュレーション、ベロシティ、キーボードトラックなどののパラメーターが編集可能です。
» VDA
VDA セクションにはアンプ関連のパラメーターがあり、アンプエンベロープ、アンプモジュレーション、ベロシティ、キーボードトラックなどののパラメーターが編集可能です。
» CONTROL
CONTROL セクションはアフタータッチの各セクションの主要パラメーターの調整と、ピッチベンドや MIDI コントロールチェンジコードに対する受付パラメーターの選択と調整が行えます。
» INSERT FX
INSERT FX セクションではシリアル接続の2系統のエフェクターを34種類の中からセットできます。
» TIMBRE SELECT
画面左上にある SETTING の下にあるボタンは、本来は COMBI/MULTI の各パート(ティンバー)の設定に機能するものですが、PROGRAM 時は主要パラメーターのバランス調整ノブが表示されます。
ここで調整されるパラメーターは各セクションのパラメーターの位置を基準に加減算されます。
COMBI/MULTI モード画面
COMBI/MULTI モードでは、画面左端のパート(ティンバー)の選択ボタンで選択された PROGRAM のパラメーターが OSC、VDF、OSC、VDF、VDA、CONTROL、INSERT FX に表示されます。(なので画面説明は省略)» TIMBRE SELECT
画面左上にある SETTING の下にあるボタンを押すと、各パート(ティンバー)の ON/OFF、ソロ、ミュート、INSERT FX の ON/OFF、PROGRAM 選択、出力レベル、パン、出力先などが編集できます。
» PERFORM
PERFORM セクションでは、COMBI/MULTI モードの各パート(ティンバー)ごとのオシレーター、カットオフ、レゾナンス、VDF EG INT、アタック、ディケイ、リリース、INSERT FX の各バランス調整が行えます。
ここでの調整は元の PROGRAM のパラメーター位置を基準に加減算され、アタック、ディケイ、リリースは PROGRAM の VDF と VDA の両方それぞれに加減算されます。
» MIDI
MIDI セクションでは、受信チャンネル、キーゾーン、ベロシティゾーン、受信フィルター(PC:プログラムチェンジ、CC:コントロールチェンジ、AT:アフタータッチ、DMP:ダンパー)、デチューン、トランスポーズなとMIDI 受信関連のパラメーターがあります。
» MASTER FX (COMBI)
MASTER FX はCOMBI/MULTI モードのマスター出力の直前に置かれる2系統のエフェクトを、34種類のエフェクト中から選択してセットできます。
» MASTER FX (MULTI)
INSERT FX と違い、シリアル接続とパラレル接続の選択が可能で、COMBI モード時は各パート(ティンバー)のミックスがそのまま直結し、MULTI モード時は各パート(ティンバー)はセンドリターン接続になります。
その他
» SETTINGSETTING 画面には MIDI 関連の設定項目とキーボードのチューニング、キー/スケールの設定項目があります。
画面右下の「AUDIO/OTHER SETTING」を押すと、iOS の「設定」にある iM1 の画面(↓下の画像)へ遷移します。
» iOS 側の設定にある iM1 の設定画面
iOS 側の設定画面には、レイテンシーの指定、バックグラウンド動作、ネットワーク MIDI、ノブのドラッグ動作、オートロック、利用状況送信などの項目があります。
CoreMIDI、Audiobus、Inter-App Audio などを利用して、他のアプリや外部デバイスからコントロールしたいときにうまく動かない場合は、バックグラウンド動作、ネットワーク MIDI、オートロックの状態を確認してみましょう。
» FILE
FILE では新規セッションの作成や、セーブ、ロード、KORG Leagcy Selection (KLC) やオリジナル M1 からのインポートなどが行えます。
公式デモ
相変わらず素晴らしい出来で、iPad ならではの操作性もいい感じです。
KORG Leagcy Selection の M1 には既にレゾナンスが付いていたので、iM1 にも付けてくれると思っていました。
(KLC の M1 もこれくらいの画面サイズで使いたい…)
さて次は Mono/Poly かそれとも Wavestation か…
[関連サイト]
KORG
KORG iM1 for iPad
KORG Legacy Selection
KORG ミュージアム - M1
KORG iM1 for iPad
カテゴリー: ミュージック
リリース: 2015/05/25 (Ver.1.0.1)
価格: 3,600円 (2105/06/30までリリース記念価格2,400円)