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Channel: 音楽方丈記
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幻想的なリバーブエコーを生み出すアンビエント・アコースティック楽器 Yaybahar

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SynthtopiaYaybahar と名付けられた不思議なアコースティック楽器が紹介されていました。



 演奏しているのはトルコのイスタンブールに住む Görkem Şen 氏で、Yaybahar を考案・製作したのも彼だと思われますが、詳しいことは調べ切れませんでした。

 三脚のようなフレームに2本の長いスプリングが張られていて、スプリングの片方は丸いお盆のような形をしたパーツの中心に固定されています。
 お盆の底の部分は一見堅い板のようにも見えますが、動画の2番目と3番目を見ると透けていて、ドラムヘッドのような薄い膜でできているようです。

 反対側の脚の上端には弦楽器のネックのような支柱がついています。ネックには弦が張られていて、動画をよく見るとフレットがついているのが分かります。

 各パーツの振動が2本のスプリングに伝わり、エフェクターのスプリングリバーブと同じような原理で共鳴効果を作り出し、持続時間の長い残響音を生成します。



 演奏方法は、弦楽器の弓を使って左のネック部分に張られた弦を弾いたものを、2つのスプリングで共鳴させるのがメインのようです。

 その他にも動画中にはマレットや弓、手を使ってスプリングを弾いたり、お盆の底の部分をマレットで叩いたりといった使い方が披露されています。



 Vimeo にある動画は撮影編集を行った Olgu Demir 氏が投稿したもので、YouTube にも Demir 氏が投稿した同じものがあました。

 他にもないかと探してみたら、トルコの民族音楽振興団体の TÜMATA とのセッションの模様なども見ることができました。(2番目と3番目の動画)

 4番目と5番目の動画のセッション (Raw in Istanbul) では、最初の動画と違うプロトタイプと思われるものが使われているのが映っています。



チューニングがトルコのマカーム(アラビア音階の一種)なのも相まって、あたかも映画のサウンドトラックのような、なんともアンビエントで幻想的なチルアウト・サウンド。

ドローンのような長い残響は、インドのシタールやオーストラリアのディジュリドウにも通じる気持ちよさがありますね。


[関連サイト]
 Olgu Demir - Yaybahar by Görkem Şen (Vimeo)
 Olgu Demir - Yaybahar by Görkem Şen (YouTube)
 TÜMATA
 Synthtopia


21世紀中東音楽ジャーナル

21世紀中東音楽ジャーナル

  • 作者: サラーム 海上
  • 出版社/メーカー: アルテスパブリッシング
  • 発売日: 2012/02/15
  • メディア: 単行本


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