Arturia が Prophet VS を iPad 上で完全再現したソフトシンセ iProphet をリリースしていました。
App Store 価格は1,000円。iOS 7 以降の iPad シリーズに対応。
Main パネル
Arturia は以前に Prophet 5 と Prohet VS を1つのソフトシンセで再現した Windows/Mac 版の DAW 用プラグイン Prophet V をリリースしていますが、iPad 専用ソフトシンセとして登場した iProphet は Prophet VS だけがフィーチャーされています。
Seqential Circuits Prophet VS
オリジナルの Prophet VS は Seqential Circuits が1986年にリリースしたベクターシンセシス方式を採用したデジタルシンセサイザーです。
ベクターシンセシスとは、4つの音色(オシレーター)を二次元マップ上の前後左右の4極に配置し、ジョイスティックでミックスポイントを移動させることで、4つの音色のバランスを時間的に連続変化させることができるもので、シンセの個性とも言われる音源方式やフィルターといったセクションとは別のミックス的観点から音色の変化を生み出す手法で当時としては新発想のアイディアでした。
演奏しながらジョイスティックを手動で操作するほかに、あらかじめ記録させておいた軌跡を打鍵にあわせてトリガー再生することも可能で、徐々に音色が変化するパッドなどロングトーン系のサウンドや、短時間の切り替えでアルペジオのようなパターンを生成したリズミカルなサウンドなどを得意としていました。
1986年は時期的に同社の経営が芳しくなかったこともあり、Prophet VS が事実上 Seqential Circuits から最後に市販されたシンセとなりましたが、1987年にヤマハに吸収されたあとも開発にかかわった技術スタッフにより YAMAHA SY-22/35 でベクターシンセシスが採用され、後に同スタッフが KORG USA で開発した WAVESTATION シリーズへと受け継がれていきました。
Main パネル (キーボードアイコンON)
各パネルの切り替えは画面右上のボタン Main、Vector、Mod Matrix、FX から行います。オリジナルとはずんぶんレイアウトが変わっていて、より視覚的・直観的にエディットがしやすいようにリデザインされています。
メインパネルは左から4つのオシレーターセクション、ミックスバランスを調整するジョイスティックセクション、エンベロープ/LFO付きのフィルターセクション、同じくエンベロープ/LFO付きのアンプセクション、右端にエフェクターセクションが配置されています。
鍵盤の左上にあるキーボードアイコンをタップすると、鍵盤の上側にあるロゴがある空いた部分に鍵盤関連の設定パネルセクションが追加表示されます。
Vector パネル
Vertor パネルはベクターシンセシスの細かいエディットが行える画面で、軌跡の各ポイント(ノード)の編集やノード間のループ指定の編集などが行えます。
Mod Matrix パネル
Prophet VS のもうひとつの特徴ともなっていたモジュレーション・マトリックスも装備されています。
オリジナル VS は入力7系統 × 出力7系統で、パネルにプリントされた表を見ながら小さい液晶画面でチマチマと編集するやり方だったのに対して、iProphet ではさらに増えて入力8系統 × 出力15系統の膨大な組み合わせが可能になり、マトリクス全体を見ながら入出力の割り当てができるようになっています。
モジュレーションの入出力指定はシンセの音作りでは分かりにくいポイントのひとつではありますが、ここを使いこなすと音色編集の幅がグンと広がります。
FX パネル
Main パネル右端の FX セクションにある Chorus、Overdrive、Delay の細かいパラメーター調整が行えます。
ちなみにオリジナル VS には Chorus のみ搭載で、Overdrive、Delay は iProphet 独自の機能となっています。
LOAD ボタン(音色選択) 、MIDI 入出力設定
音色データは同社 Prophet V と互換性があり、データのインポート/エクスポートが可能になっています。
連携機能としては Core MIDI に対応し、iPad 内の他アプリとの MIDI 入出力や、USB カメラアダプタ経由の USB-MIDI 入出力、Wi-Fi 経由のネットワーク MIDI 入出力が可能なほか、Inter-app audio や Audiobus を経由してオーディオストリーミングの出力が可能になっています。
また、Retronyms Tabletop にも対応して、アプリ内のコンポーネントとしても呼び出すことが可能。
安定の Arturia クオリティと高い完成度、1,000円はアプリとしては高い部類に入りますが、それだけの(あるいはそれ以上の)価値はあるといえるのではないでしょうか。
ただ、VS を iProphet として出したということは、今後 Prohet 5 バージョンはリリースされないのかどうなのかというのが気になるところですね。
[関連サイト]
Arturia
フックアップ - Arturia 製品
Audiobus
Retronyms
Arturia iProphet
カテゴリー: ミュージック
リリース: 2014/09/30 (Ver.1.0.1)
価格: 1,000円
Audiobus
カテゴリー: ミュージック
リリース: 2014/09/09 (Ver.2.1.5)
価格: 500円 (Multi-Routing 機能はアプリ内課金500円)
Retronyms Tabletop
カテゴリー: ミュージック
リリース: 2014/09/30 (Ver. 2.6.4)
価格: 無料
App Store 価格は1,000円。iOS 7 以降の iPad シリーズに対応。
Main パネル
Arturia は以前に Prophet 5 と Prohet VS を1つのソフトシンセで再現した Windows/Mac 版の DAW 用プラグイン Prophet V をリリースしていますが、iPad 専用ソフトシンセとして登場した iProphet は Prophet VS だけがフィーチャーされています。
- 4基のデジタルオシレーター
- 95種類の波形
- マルチモードフィルター(Low pass/Band pass/High pass/Band reject)
- ベクタージョイスティック
- マルチポイントループ対応のエンベロープジェネレーター
- モジュレーション・マトリクス
- ビルトインエフェクター (Chorus/Overdrive/Digital Delay)
- プリセット音色のインポート/エクスポート
- 同社 Prophet V との音色互換性あり
- Audiobus、Inter-app audio、Core MIDI 対応
- Retronyms Tabletop コンポーネント対応
オリジナル Prophet VS とベクターシンセシスについて
Seqential Circuits Prophet VS
オリジナルの Prophet VS は Seqential Circuits が1986年にリリースしたベクターシンセシス方式を採用したデジタルシンセサイザーです。
ベクターシンセシスとは、4つの音色(オシレーター)を二次元マップ上の前後左右の4極に配置し、ジョイスティックでミックスポイントを移動させることで、4つの音色のバランスを時間的に連続変化させることができるもので、シンセの個性とも言われる音源方式やフィルターといったセクションとは別のミックス的観点から音色の変化を生み出す手法で当時としては新発想のアイディアでした。
演奏しながらジョイスティックを手動で操作するほかに、あらかじめ記録させておいた軌跡を打鍵にあわせてトリガー再生することも可能で、徐々に音色が変化するパッドなどロングトーン系のサウンドや、短時間の切り替えでアルペジオのようなパターンを生成したリズミカルなサウンドなどを得意としていました。
1986年は時期的に同社の経営が芳しくなかったこともあり、Prophet VS が事実上 Seqential Circuits から最後に市販されたシンセとなりましたが、1987年にヤマハに吸収されたあとも開発にかかわった技術スタッフにより YAMAHA SY-22/35 でベクターシンセシスが採用され、後に同スタッフが KORG USA で開発した WAVESTATION シリーズへと受け継がれていきました。
Main パネル
Main パネル (キーボードアイコンON)
各パネルの切り替えは画面右上のボタン Main、Vector、Mod Matrix、FX から行います。オリジナルとはずんぶんレイアウトが変わっていて、より視覚的・直観的にエディットがしやすいようにリデザインされています。
メインパネルは左から4つのオシレーターセクション、ミックスバランスを調整するジョイスティックセクション、エンベロープ/LFO付きのフィルターセクション、同じくエンベロープ/LFO付きのアンプセクション、右端にエフェクターセクションが配置されています。
鍵盤の左上にあるキーボードアイコンをタップすると、鍵盤の上側にあるロゴがある空いた部分に鍵盤関連の設定パネルセクションが追加表示されます。
Vector パネル
Vector パネル
Vertor パネルはベクターシンセシスの細かいエディットが行える画面で、軌跡の各ポイント(ノード)の編集やノード間のループ指定の編集などが行えます。
Mod Matrix パネル
Prophet VS のもうひとつの特徴ともなっていたモジュレーション・マトリックスも装備されています。
オリジナル VS は入力7系統 × 出力7系統で、パネルにプリントされた表を見ながら小さい液晶画面でチマチマと編集するやり方だったのに対して、iProphet ではさらに増えて入力8系統 × 出力15系統の膨大な組み合わせが可能になり、マトリクス全体を見ながら入出力の割り当てができるようになっています。
モジュレーションの入出力指定はシンセの音作りでは分かりにくいポイントのひとつではありますが、ここを使いこなすと音色編集の幅がグンと広がります。
FX パネル
FX パネル
Main パネル右端の FX セクションにある Chorus、Overdrive、Delay の細かいパラメーター調整が行えます。
ちなみにオリジナル VS には Chorus のみ搭載で、Overdrive、Delay は iProphet 独自の機能となっています。
その他
LOAD ボタン(音色選択) 、MIDI 入出力設定
音色データは同社 Prophet V と互換性があり、データのインポート/エクスポートが可能になっています。
連携機能としては Core MIDI に対応し、iPad 内の他アプリとの MIDI 入出力や、USB カメラアダプタ経由の USB-MIDI 入出力、Wi-Fi 経由のネットワーク MIDI 入出力が可能なほか、Inter-app audio や Audiobus を経由してオーディオストリーミングの出力が可能になっています。
また、Retronyms Tabletop にも対応して、アプリ内のコンポーネントとしても呼び出すことが可能。
公式デモとレビュー
[ここに YouTube プレイヤーが表示されます]
http://www.youtube.com/watch?v=F7XAb1lcdss
http://www.youtube.com/watch?v=pi47QZYPy2E
http://www.youtube.com/watch?v=XaqKj4iOHT0
http://www.youtube.com/watch?v=F7XAb1lcdss
http://www.youtube.com/watch?v=pi47QZYPy2E
http://www.youtube.com/watch?v=XaqKj4iOHT0
安定の Arturia クオリティと高い完成度、1,000円はアプリとしては高い部類に入りますが、それだけの(あるいはそれ以上の)価値はあるといえるのではないでしょうか。
ただ、VS を iProphet として出したということは、今後 Prohet 5 バージョンはリリースされないのかどうなのかというのが気になるところですね。
[関連サイト]
Arturia
フックアップ - Arturia 製品
Audiobus
Retronyms
Arturia iProphet
カテゴリー: ミュージック
リリース: 2014/09/30 (Ver.1.0.1)
価格: 1,000円
Audiobus
カテゴリー: ミュージック
リリース: 2014/09/09 (Ver.2.1.5)
価格: 500円 (Multi-Routing 機能はアプリ内課金500円)
Retronyms Tabletop
カテゴリー: ミュージック
リリース: 2014/09/30 (Ver. 2.6.4)
価格: 無料